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他人の痛みに共感する能力vol.2
【生まれつき、子供は共感し、分別する能力を持っている】vol.2

(.........先週の続きです)

その写真は、事故によって人が苦しんでいる場面(重いボウルが手に落ちてくる)および他人がわざと誰かを痛めつけている場面(わざと指を踏みつけられている)を表すものでした。子供たちは、苦しんでいない写真と、人々が誰かの痛みを和らげるのを手助けしているアニメーションも見せられました。

そのスキャンは、大人が痛みを見ると活性化する脳の部位は子供たちにおいても誘発される、ということを示しました。

「大人の痛みに対する共感のfMRI研究と一致して、子供における他人の痛みの認識は、痛みを直接に処理することに関与する神経回路における血行力学的活動と関係し、インスラ(島)、体性感覚皮質、前部帯状回(ACC)、中脳水道周囲灰白質、補足運動野が含まれる、とディシティは書きました。

しかし、子供たちが誰かが意図的に傷つけられるアニメーションを見たとき、社会的交流と道徳的意味づけに関与する脳の部位(弓状束、傍帯状溝、眼窩前頭皮質、内側前頭皮質及び扁桃体)も活性化しました。

全米科学財団に支援されたその研究によって、子供の善悪の知覚及び子供の脳が情報を処理するか、という相互における、子供に対する新しい洞察を提供されます。ディシティは言いました。「我々の研究は道徳的な判断をはっきり引き出さなかったが、故意に他の人を傷つけている人を見れば、道徳的に悪いことが行われていると、見た人は判断する、という認識を引き出しそうである。」と、彼は書きました。

その後の子供たちとのインタビューで、誰かが怪我をさせられたアニメーションの中で、悪いことが行われていると気がついている、ということが明らかになりました。「子供たちのうちの13人は状況が不公平であると考え、この行動についての説明を要求し、理由について尋ねてきました。」と、ディシティは述べました。

by 金井はんこ
| 脳機能 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
他人の痛みに共感する能力vol.1
【生まれつき、子供は共感し、分別する能力を持っている】vol.1

サイエンスデイリー誌(2008年7月12日)

子供の反応を研究するために機能的磁気共鳴画像(fMRI)スキャンを使用したシカゴ大学の研究で、7歳〜12歳の子供たちは自然に他人の痛みに共感する傾向にあることが分かりました。

スキャン上の反応は、大人の研究で見つかるものと類似していました。研究者は、子供たちは大人と同じように、頭の同じ領域で痛みに反応することを発見しました。故意に他人が別の人に傷つけられるのを幼児が見たときは、脳内でさらに別の面が活性化することも発見しました。

シカゴ大学の心理精神医学部の教授であるジーン・ディシティは「この研究は、他人の痛みに対する神経反応と、ある人が他の誰かに痛みを引き起こしていることへの衝撃、と双方の幼児の神経反応を調べる最初のものである。」と、述べています。

共感のためのプログラミングは、通常の子供たちの脳に「生まれつき」あるもので、完全に親の指導や他の教育によるものというわけではない、とディシティは付言します。痛みに反応する脳の役割について理解するということは、脳の機能障害がどれくらい“いじめ”のような反社会的行動に影響を与えるか?ということについての研究を深める助けとなります。

彼らの研究のために、7歳〜12歳の普通に成長している17人の子供たちに、偶然、意図的どちらにでもとれる痛みを経験している人々の動画で、偶然か意図的に傷つけられているかどちらともとれるものを見せました。グループには、9人の女の子と8人の男の子がいました。
脳と子供
FMRIスキャンを受けながら、子供たちは右手と右足だけが見える二人の人物の写真三枚を使ったアニメーションを見せられました。

(次週に続く...............)

by 金井はんこ
| 脳機能 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
分子から聴覚を理解する Vol.2
(…….先週からの続きです)

さらに拡大すると、各々の感覚毛は不動毛とも呼ばれる個々の毛から構成されています。隣り合う不動毛は、糸状構造(tip link)としても知られるたんぱく質フィラメントによって結びつけられます。不動毛が揺れ動くとき糸状構造は伸びて少しの間破れ、プラスに荷電するイオンを有毛細胞へ流入させる形質導入チャンネルを開けます。これは、徐々に神経系に達する神経伝達物質を開放し始めます。このように、機械的な行動 ― 開いて覗き見るチャンネル ― は電気信号及び最終的には私たちが鳴き声、ビープ音や音として聞こえるものに変換されます。

「そのシステムはすごいです。しかし私たちは、何がその結びつきを構成するかについて本当にわかっているわけではありませんし、感覚毛がどのように分子レベルで動くかということについてわかっているわけではありません。」と、アウアーは言います。

アウアーと同僚が、草分け的に分子レベルで感覚毛を分析するために電子断層撮影を使ったおかげで、それは変わり始めています。これまでのところ、彼らは三次元で感覚毛の結びつきを再現して、結びつきの正確な長さの測定結果を得ています。

「構造細胞生物学における至高の目標の一つは、複雑なシステムの分子リストを得て、そのすばらしい機能を果たすためにタンパク質がどのように協働しているかについて示すことです。」と、アウアーは言います。「私たちは、感覚毛のためにそのようなリストを開発するよう努めています。」

その細胞の関係において、感覚毛の電子断層撮影の研究は、自然界と人間が作った世界で感覚毛の能力というものはどれほど類まれであるか、ということも研究チームが解読できるようにしています。たとえば、どのように、とても大きい雑音に順応することができ、それから、ささやきに気づくようにそれ自体を素早く再設定することができるのか?そして、どのようにして、ささやきに気づくのに十分な感度を持ちつけれども、全ての分子が鼓膜と衝突しているのに気づくほど過敏でない、ということを可能にするのか?

「そのシステムがこれ以上敏感であれば、空中で全ての分子があなたの鼓膜にぶつかるのが聞こえて、気がおかしくなってしまうでしょう。」と、最近取得したイメージが、有毛細胞の一連の電子断層撮影の調査における初めてのものであると付け加えながらアウアーが言います。

「私たちは、感覚毛が巧みな電気生理学実験を通してどのように作用するかよく知っていますが、私たちはもっと知る必要があって、そのために分子構造を究明する必要があります。」と、アウアーは言います。「最終的には、全ての機構を使って、この感覚毛全ての説明を得られるでしょうし、それがどのように機能するか−聴覚はどのように働くか−、ということに対する基本的な洞察を与えてくれるでしょう。」

この研究は、国立衛生研究所、全米科学財団とエネルギー省によって資金提供を受けました。Journal of the Association for Research in Otolaryngology の2008年6月9日号で報告されました。

by 金井はんこ
| 目耳鼻5感 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
分子から聴覚を理解する Vol.1
サイエンスデイリー誌(2008年7月13日) より

バークレー研究所の科学者は、自然の最も精巧な機械の一部である三次元構造の全貌を初めて明らかにしました。それは内耳にあるクモの巣状のたんぱく質のフィラメントで、それによって聴覚とバランス感覚というものが可能になります。

彼らの業績は、どのように聴力が働くかということについて、より根本的な理解への扉を開きます。それは、あるタイプの治療方法の改良にも結びつく可能性があり、難聴の人の約10%の人に影響を及ぼします。
フィラメント
そのフィラメントは、音の機械的な振動を脳が解釈可能な電気信号に変えるのを助けてくれます。その幅はわずか4nmで長さ160nm(1nmは、1mの10億分の1)ですが、それらがたっぷり休んでいれば、世界は静かになります。フィラメントは、6桁に及ぶ刺激により作用する感覚システムの一部です。それを使って、人はピンが落ちたりジェット機が減速したりするのをフルパワーで聞くことができます。生物学と電気工学界における他のいかなる感覚システムにも、この妙技は不可能です。

「それは、体で最も美しさを賜ったシステムの一つです」と、バークレー研究所のライフサイエンス部のマンフレッド・アウアーは語っています。「しかし、それがどのように実際作用するかは謎のままです。我々の目標はそのシステムが何に似ているかを究明することなので、それがどのように機能するかについて究明する可能性があります。」

アウアーと同僚は、異なる角度で構造の数百ものイメージを取得して三次元合成写真に再現する、電子断層撮影をこのために利用します。その技術は、構造の非常に詳細なイメージを分子レベルで作り出します。

アウアーのチームが、聴覚システムにおいてマッピングされていない最後の構成要素のうちのの一つについてもっと知ろうと試みた約8年前まで、誰も電子断層撮影を聴覚研究に利用していませんでした。内耳は、感覚毛を生え始めさせる有毛細胞で内側が覆われています。これらの感覚毛は軽く上下に動き、液体の中では揺れています ― 風の下でたわむ小麦畑のように ― 鼓膜が音の波を吸収するためこのようになります。

(来週に続きます!是非またいらしてください……)
by 金井はんこ
| 目耳鼻5感 | 17:21 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
松果体の神秘と科学Vol.4
【松果体は体と心の健康をつかさどる宇宙との架け橋】Vol.4
(……先週からの続きです)

人間は地球及び他の惑星のリズムにつながっている、という可能性に魅了されるタルクィーニは、見事なパターンを発見しました。松果体は、単に24時間周期に従うのでなく、他の周期にも従うという事です。

健康な女性と乳腺疾患の女性を比較して「健康な女性はプロラクチンの循環において似通った年間のリズムを持つ」ということを彼は発見しました。乳腺疾患の女性には、同じ年間のリズムは見つかりませんでした。※11

ある研究で、チャネル諸島の健康な女性たちから血液サンプルが採られ、保存されました。その後、女性達の中で誰がガンになったかについて観察するため、追跡調査されました。
ガンになった人、及びならなかった人の血液サンプルを、プロラクチンとTSH(甲状腺刺激ホルモン)の検査をしました。この場合もやはり、健康な女性は年間サイクルを示し、ガンを患っていた女性には年間リズムがありませんでした。※12

タルクィーニも、新生児の血圧と心拍数において、はっきりした週次(概ね7日間)のリズムを発見しました。実際、彼は新生児の最初の月においてこれらのリズムが優勢である、ということを発見し、それは、人間が地球に到着したとき、「7日の地球磁気圏擾乱の調波に固定されている」ことを示唆しています。

タルクィーニはまた「心拍変動と太陽周期の段階との関係」を明らかにしました。彼の研究は「メラトニンが単独というよりむしろ2つの刺激(日の光だけでなく、夜の地磁気も)によって生産されている」という、とてつもない結果を示しています。※14
光より深い何かが、生物に影響を及ぼしています。

【振動している道しるべ】
松果体が石灰化組織であり、歯や骨のように「堅くなる」ことは長く知られていました。これらの石灰化された奇妙な沈着物は、通常3 5mmの間で青春期で現れ始め、しばしば「脳砂」と呼ばれる塊をつくります。成人期までには、松果体の33〜76%が固まります。

最近の研究によって松果体に「圧電性のある」非対称の結晶を発見しました。 つまり、それらは、電磁波が作る振動である電界を発します。※1

圧電性結晶は、電界に置かれると圧縮されます。この研究は『人間は地球のような電磁場に曝されるといつも、松果体が振動して電磁信号を体の残りの部分に発する』ことを主張しています。これは、一つは環境を調査するため、もう一つはコミュニケーションするために、パラボラアンテナのように準備されて二種類の音を作っている、イルカの頭と似ています。

※11 Epilepsia, 1993; 34: 56
※12 Tromp SW. B i o m e t e r o l o g y. London: Heyden, 1980
※13 Radin D. The Conscious Universe. San Francisco: HarperEdge, 1997
※14 Radin D. Evidence for relationship between geomagnetic field fluctuations and skilled physical performance. Presented at the 11th Annual Meeting of the Society for Scientific Exploration, Princeton, NJ, June 1992
by 金井はんこ
| 内分泌腺 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
松果体の神秘と科学Vol.3
【松果体は体と心の健康をつかさどる宇宙との架け橋】Vol.3
(……先週からの続きです)

松果体は感光性であるが、光や暗闇は通常通りに目の網膜にある桿状体及び杆状体から入って、交感神経を通して腺へと進むものである、とこれまで科学者たちは常に考えてきました。※7
常識では、視神経からの衝撃のうちほんの一握りが視覚伝導路から松果体に迂回し、この入力がメラトニンの生産をコントロールする、とされています。しかし、松果体は電気的な神経インパルスや化学よりはるかに複雑であるという事がわかりました。動物から得た証拠は、この腺自体が光を感じることを示唆しています。

アクセルロッドは、まさにメラトニン生産をコントロールしたものを見つけ出すために、一連の実験を行いました。彼は、ネズミはずっと光の入るところに置かれると、セロトニン・メラトニンリズムが消滅する、ということを発見しました。ずっと暗いところに入れられたネズミのセロトニンリズムは正常でした。明らかに、何か他のメカニズム、おそらくは体内時計が作動していたのです。

網膜に光レセプターを持たずに生まれた盲目のマウスに関する別の研究では、目で光を『見る』能力がないマウスでさえ、体内時計に反応して夜にメラトニンの生産をオンして、夜明けでそれをオフにした、ということを明らかにしました。更に驚くことに、マウスの数匹には不完全ながら視覚伝導路があったので、光の情報は何らかの他のメカニズムによって処理されていました。

その研究の著者は、ある種の『型にはまらない』光レセプターが関係すると認めているが、それは脳の中央の奥深くにある何らかの腺ではなく、目の中にあったと主張し続けました。※9

松果体は、目と似た遺伝子情報と、それ自体が光信号を変換・伝達する仕組みも持ち、まさに非常に光を感じやすく伝達しやすい、と提唱する科学者がいます。※10

ほとんどの哺乳類は、ほぼ人工光のあたるところに置かれたとしても、南極のような冬に日の光の当たらない地域に住む人がそうであるように、24時間のリズムでメラトニンを生産し続けます。そして、全くメラトニンを分泌しない特定の人々は、全く副作用で苦しむように見えません。

(次週に続く……)
※7 J Pineal Res, 1990; 9: 259–69
※8 J Sci Explor, 1992; 6: 208
※9 Becker R. The Body Electric: Electromagnetism and the Foundation of Life. New York: Quill, 1985
※10 Percept Mot Skills, 1992; 74: 449
by 金井はんこ
| 内分泌腺 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
松果体の神秘と科学Vol.2
【松果体は体と心の健康をつかさどる宇宙との架け橋】Vol.2
(……先週からの続きです)

その後、1950年代にエール大学のアーロ・ビー・ラーナーが、松果体によって生み出される特有のホルモンを分離させて、それを『メラトニン』と呼びました。アメリカの薬理学者、神経科学者、最終的なノーベル賞受賞者であるジュリアス・アクセルロッドは、私たちの体の体内時計としての、この腺の重要性を発見し続けました。

松果体は、脳の第三及び第四脳室を隔てているすべての中央線構造と同様に血液脳関門を持たないため、『脳の窓』と呼ばれてきました。※2
松果体は大きさが極めて小さい割に、豊富な血管網による血液の供給が絶え間なく続くことに依存している腺です。フローレンス大学の内科長でイタリア人の故ブルネット・タルクィーニは、松果体は腎臓に加えてあらゆる臓器の中で最も血液に浸されていると考えました。※3
それゆえ特に幼児においては、松果体は酸素と栄養分で絶えず養われています。

松果体に関するもう一つ面白い側面は、脳の他の部位は常にペアで存在するのに対し、松果体は脳の中でただ一つのみである、というところです。
松果体は胎児にできる最初の腺であり、受胎後わずか3週で識別できます。この事は体内での中心的な役割を有することを示唆しています。※4
松果体の完全な機能はまだ十分に理解されていませんが、ある科学季刊誌では、内分泌腺は脳の最終的な親スイッチであり、松果体は下垂体さえコントロールしていると考えられています。※5

人間を含む高等脊椎動物において、松果体はアミノ酸トリプトファンの派生物である『メラトニン』を分泌します。
このホルモンの生産は暗闇により刺激され光によって抑制されるため、その生産は早朝ピークに達します。松果体は、ヒドロキシインドール・O・メチルトランスフェラーゼ(HIOMT)を含む酵素を使って、食事から採ったトリプトファンに由来するセロトニンをメラトニンに変えます。松果体はphotoneuroendocrine transducer(光神経内分泌変換器)と呼ばれ、メラトニンの生産するスイッチをオンオフするために、環境情報による神経信号が化学的なメッセージ(このケースでは)に変換されます。メラトニンは私たちの睡眠/起床サイクルを管理し、老化現象を遅らせる、種親時計のような働きをします。

さらに精神的な安定性を含む、成長及び他の側面を調節することにおいて機能する事が分かっています。メラトニンのレベルが低いことは、ガン、性的機能不全、高血圧、癲癇とパジェット病に関係しています。松果体は「時間管理」と同様に「心の健康」にも関係しています。新しい研究では、松果体の調子が悪いと癲癇、精神分裂症と自閉症にさえ関係してくるかもしれない、ということを示しました。※6

(次週に続く……)
※2 J Soc Psychic Res, 1993; 59 (830):1–15
※3 In vivo, 1997; 11: 473–84
※4 Phys Aur Phenom, 2002; Proceedings
of the XXV Annual Seminar, Apatity:
161–5
※5 Int J Biometerol, 1973; 17: 227–32
※6 Brain Res, 1988; 448: 325–30
by 金井はんこ
| 内分泌腺 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
松果体の神秘と科学Vol.1
【松果体は体と心の健康をつかさどる宇宙との架け橋】Vol.1

サイ研究及び多くの伝統的な文化では、人間は地球(大地)と特別な関係にあり、地球と惑星が満ち欠けするように私たちも満ち欠けする、と主張してきました。
このことに証拠があるでしょうか?もしあるならば、どのように私たちは地球のエネルギーを利用する能力を最大化することができるでしょうか?もしも私達が光子や電磁気を他の供給源から『吸い上げている』としたら、身体にはアンテナの役割をする部分があるのでしょうか?
これらの問いかけへの答えは、東洋の神秘主義者達が教えています。私達の身体を経路として、眼に見えないエネルギーと全宇宙につながる機能をするのは、脳の深部に存在する小さな『腺』なのです。

視覚というメリットなしに、日中や夜を識別することができる鳥の松果体は、皮膚の近くにあるため、鳥のこの様な能力を「動物における“光のお告げ”又は“第三の目”」などと呼ばれてきました。科学者は「動物において、この腺が電磁場をモニターするためにレシーバーのような働きをして、空間で体を調整する手助けする」と考えています。実際、かつては多くの動物において、松果体には磁性物質が含まれていると主張されていました。例えば、鳥の頭の周りで磁場の方向を変えると、自分自身を正しい方向に向ける能力が変わります。

動物、爬虫類、両生類、鳥、魚の中のいくつかの種類では、松果体が頭のてっぺんにあり、第三の目を思わせるある特徴を持っています。西のカキネハリトカゲ(Sceloporus occidentalis)の松果体は、頭蓋骨の穴からはっきり見え、光学レンズを持っています。高倍率で観察すると、角膜、網膜に加えてレンズもあり、それらは光の波長を短くしたり長くしたりするために働いています。そして神経が、松果体と脳にこのレンズを接続しています。

脊椎動物で最も下等な種とされているが、進化論において重要であるヤツメウナギ(Petromyzon marinus)は、脳の上部、頭蓋骨の上に2つの松果体を持っています。より高度な種の脊椎動物においては、おそらく松果体は頭の上部から脳の中心に後退したと考えられています。松果体(又は『骨端』)は、円錐形の豆粒大で脳の第三脳室の上壁、鼻の付け根のすぐ後ろにあって、脳脊髄液の小さな湖に浮かんでいます。

松果体は脳の中央にあるため、神経外科医や放射線科医脳にとって、手術の時に役に立つ目印となっています。
しかし比較的最近まで、魂やより高次の領域への入り口、記憶のバルブ、エネルギーの渦、生命の流体の元栓、心の病の病原、などとしての多くの伝説・神話の題材になっていました。ルネ・デカルトは「松果体が魂のある場所である」と主張するときに、しばしば名前を引合いに出される人物です。彼が前提としたものは、松果体は肉体と魂の唯一の合流点であり「魂が『より独自の方法でその機能を発揮する』※1唯一の場所である」ということです。しかし、デカルト以降ごく近年まで、松果体は神経病学的にはごみ箱送りになっていて、科学界では進化の残り物、脳の付属物と考えられていました。

(次週に続く……)

※1Biochem Bioenerg, 1996; 41: 191–5
※1 J Exp Biol, 1999; 202: 891–908
by 金井はんこ
| 内分泌腺 | 14:48 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
エネルギー進化論と免疫 Vol.4
【エネルギー進化論と免疫】Vol.4

前回の続きです!(@最終回)

「極端な小食でも元気にいられる」必要条件は、
楽しい十分な酸素がある、冷えが無く血行がよい、
楽しい若干の放射性物質(K40)がある、
楽しい小食である、
楽しい体内にクレブス回路の酵素を阻害する水銀やヒ素などの
     化学物質が蓄積していない、
楽しいそして今一つは健全な腸内環境と健全な腸内細菌の維持
     ということです。

超小食生活で元気で健康でいるためには、腸内細菌の助けなくしては考えられません。それは腸内細菌の産生するビタミンやアミノ酸が超小食者のみならず人間にとって重要な栄養源だからです。

ミトコンドリアは、20億年以上昔の太古に生物と共生していた細菌と考えられています。ところが酸素の急激な増加によってミトコンドリアなくして生物が存続しえない状況になったので、わざわざミトコンドリアのDNAの一部を抜き取ってまで自分の一部に取り込んだのです。太古の元細菌“ミトコンドリア”のみならず、人間が健康に生きてゆくには腸内で共生している現役の細菌の手助けも必要だということなのです。人間を始めとする生物はじつに細菌のお世話になっているのだなと感心しますね。

超小食者(仙人)になるには、
食事腸内環境をととのえ、
食事体内の毒素を一掃し、
食事小食に適応する期間が必要、
になります。また人類には「餓え」に対する恐怖がDNAに刻みつけられているのです。だからその恐怖も克服する必要があるのです。(←実はこれが一番難しい)

 さて『ミトコンドリア系』にシフトしてしまうと癌や動脈硬化などのいわゆる成人病にかかりづらくなり長生きします。しかし生物の宿命として酸化ストレスによる老化という問題は避けがたくやがては死を迎えます。

生物は個としては死を迎えますが子孫を残せば種としては存続するのです。そこで生物は『解糖系』の精子と『ミトコンドリア系』の卵子に分離します、そしてそれをさらにまた合一させて繰り返し繰り返し新たな個体を生み増やして行くのです。そして種の再生のサイクルはぐるぐると存続して行くのです。
 

大橋康之 <おおはし歯科クリニック院長> 

 

【参照】
ミトコンドリアはどこからきたか:黒岩常祥著(NHKブックス)
臨床家のためのホメオパシーマテリアメディカ:森井啓二著(エンタプライズ)
生と死の自然史―進化を統べる酸素 ニック・レーン(東海大学出版会)
ミトコンドリアが進化を決めた ニック・レーン(みすず書房)
2008/5/25の自律神経免疫治療研究会での安保徹教授の講演より

| 免疫 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP